
五月の風が
川面をなでてゆく
まだ昼の名残を抱えた空は
ゆっくりと
橙色へ溶けていき
ビルの輪郭は
光を失うたびに
静かな影となって
都会の一日を閉じてゆく
― ―
橋の上に立つと
流れる水も
歩いていく人影も
みんな少しだけ
穏やかに見えた
騒がしいはずの街なのに
夕暮れだけは
誰の心にも
小さな余白を残してくれる
― ―
澄みきった五月の空に
今日という時間が
静かに沈んでいく
その光景を見ているだけで
何故だか
また明日も歩ける気がした
2026.05

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